四国遍礼道指南増補大成
 
十一番・藤井寺

 金剛山と号する。空海が開基し、高さ三尺の薬師如来像を作って本尊とした。
 詠歌「色も香も 無比中道の藤井寺 真如の波の立たぬ日もなし」
 焼山寺まで三里。この間、山道となっている。{宿がない。}一里半行くと、柳の水がある。旅人の喉が乾いたとき、空海が{菩薩道具の}楊枝で加持し{道端に立てると観音}水が迸り出た。この水を空海は旅人に与えた。{いまだに空海が発した霊力は衰えず、水が湧き出ている。}空海が楊枝を置くと、それが{非常に美しい糸}柳の木となった。往来の人の渇きを潤し役立っている。畔に大師堂が建っている。遍路人を泊めてくれる人がいる。標石がある。ここから左右内村に入る。こりとり川と呼ばれる谷川に沿って歩く。人に溜まった凝りをとるとの意味だ。焼山寺まで上る十八町の坂の途中に、薬師堂がある。
                   
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