四国遍礼道指南増補大成
十八番・恩山寺
{南向きで、山に一町上がる}。勝浦郡。聖武天皇の勅命によって、行基菩薩が建立し、自ら本尊の薬師如来座像を作った。空海が訪れて再興し、母親の遺骨を納め墓を築いた。以後は母養山恩山寺と称するようになった。
詠歌「子を産める その父母の恩山寺 弔いがたきことはあらじな」
つるまき坂の麓に釈迦庵がある。宝亀五甲寅年六月十五日、空海誕生の像を安置している。次にある藪{泥藪【黒薮カ】}の下が、空海の襁褓を納めた場所だ。
立江寺まで一里。天王村、田野中山を通り、立江村に着く。石橋が八つ架かっている。橋の上に白鷺がいるときは、通らないようにしているという{十九番記事中に、橋の上に白鷺がいるときに渡ってはならない。無理に渡ると悪いことが起きる。標石がある。}
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