四国遍礼道指南増補大成
 
廿七番・神峯寺

 {山の上に建つ。堂は南向き}安喜郡{唐浜村}竹林山と号する。本尊は高さ三尺の十一面観音座像で作者は分からない。高山にあり、九十九折りの坂を一里登る。山上は魔境で、そこに堂が建っている。このため申の刻以降には、登れない。
 詠歌「三仏の誓いの心神峯 刃の地獄 たといありとも」
 この辺りに、喰わず貝というものがある。{この谷に、土で出来る喰わず貝がある。空海が、貝を携えた浦人に行き会った。貝を与えてくれるよう頼んだが、浦人は食べられない貝だからと断った。空海は、浦人のケチぶりを哀れみ後世を慮って呪法をかけた。以後その貝は、煮ても焼いても食べられないものとなり、谷に捨てた。現在でも石貝として残っている。件の浦人は恥ずかしく、かつ有り難く思って、出家した。}
 大日寺まで九里。おふ山・川野村{過ぎて不動堂}・伊尾木村を通る。途中に川瀬がある。{伊尾木川・安芸川の二瀬がある。}安芸浦町を経て新城浜。砂道が一里続く。{砂が深い。八流の麓に茶屋。}山道を下れば小川。{八流山を下ると小川。}鷲敷/和食村を過ぎ手井山の麓に茶屋がある。手井村を抜けて山に入る。町がある。湊町に出る。途中に小川がある。夜須浜・岸本村・赤岡村。町を過ぎれば橋が架かっている。野市村に標石。大日寺のある大谷村に着く。
                                  
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