四国遍礼道指南増補大成
 
八十五番・八栗寺

 {山上に建っており、堂は南向き}三木郡・五剣山千手院と号する。嶮岨な峯に建つ。空海が求聞持を修したとき、五振の利剣が空から降ってきた。このため、五剣山と称する。空海が唐へ留学に行く前試として焼栗八枝を植えた。生長したため、八栗寺と呼ぶ。本尊は、空海が作った高さ五尺の正観音菩薩像。社には蔵王権現を祀っている。
 詠歌「煩悩を胸の智火まで焼く/八栗をば 修行じゃならで誰か知るべし」
 {奥の院へは山を四町登る。}志度寺まで一里。田井村には宿を貸してくれる善人が多い。{皆篤志の人で宿を貸してくれる。道休禅師の墓がある。この人は、裸足で八十八カ所を十二度、すべてで二十七度回った。功なって死ぬとき「今までは遠き空とぞ想いしに 都率の浄土 そのままの月」。訪れる人は皆、道休の墓で回向する。}大町村。志度村には宿を貸してくれる善人がいる。{町の西に園子尼の寺がある。本尊は文殊菩薩像。東寺町の庄三良が宿を貸してくれる。ここから先、一日歩く間、米を求められないときもある。ここで買っておくとよい。}
              
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