四国遍礼霊場記
▼摩盧山性寿院焼山寺(十二番)
道が極めて険しく、雲霞に覆われている。阿波で最も高い山だ。本堂には空海作の虚空蔵菩薩像を安置している。左に御影堂、続いて熊野権現社の拝殿・鳥居がある。前面には鐘楼・大門・中門を構えている。
奥の院までは、およそ十町余。途中、六町ほどの所に祇園の祠、後脇に蛇窟がある。右に空海が作った三面大黒天の堂が建っている。ここから上がると護摩堂、更に一町ほど行くと聞持堂がある。また更に登ると、本社の弥山権現社となる。本体は蔵王権現らしい。
下の杖立という場所で、空海が杖を立てたのだろうか。
蛇池がある。大きさは二十間と三十間ほどもある。
大門から十八町坂を下った場所で右衛門三郎が死んだ。大きさ七囲いもある杉が、墓印だ。右衛門三郎については、伊予石手寺の項で触れる。
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