四国遍礼霊場記
 
▼法界山高照院大日寺(二十八番)
 

 
 香我美郡大谷村にある。欽明天皇時代の創建ともいう。本尊が大日如来なので、大日経塔がある。また、敏達天皇に関係があるともいい、あるいは真言八祖の始祖・龍猛、第四祖・不空の説話も伝えるという。時間や場所に混乱がみられ、聞く人はみな疑う。
 思うに大日経は、理念型として純化された法身の仏陀は普遍であると説く。大日如来は自性法界宮、宇宙全体を住居とし森羅万象を制御する存在なのだから、天竺も日本も大日如来の影響下にある。そういった意味を込めて、法界を山号と称している。ただし、行基菩薩が中興し、本尊も行基の作である。龍猛・不空とくれば眉唾かもしれないが、行基レベルにまで戻るとよく聞く話であり、信ずるに足るよう思う。行基の後、空海が復興し密教道場となった。
 本堂から三十余歩ほど離れて、大きさは七八囲いもある楠の老木が立っている。空海が薬師如来を彫りつけた。霊験あらたかである。脇から霊水が湧き出ており、清らかで凛としている。昔は二十五寺を従え、寺領も七八百石あったという。
                      
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