四国遍礼霊場記
▼一ノ宮百々山神宮寺(三十番)
高鴨大明神らしい。続日本紀に、従五位下賀茂朝臣田守らが奏上したこととして、次のような話が載っている。昔、大泊瀬の天皇が葛城山で狩りをしたとき、一人の老人が天皇と競い合って獲物を追った。
天皇は怒って、老人を土佐に流した。神が老夫と化して放逐された社が、これであろう。大泊瀬は雄略天皇である。日本紀には天皇が神に遭って名を問えば、一事主だと答えた。二人は轡を並べ歓談したとある。葛城の神は大己貴命の子で八重事代主命だ。高鴨神である。また、味耜高彦命を高鴨神とする場合もある。この神も大己貴の子で、事代主と兄弟だ。
神宮寺の本尊は阿弥陀・観音・勢至の三尊像で金銅製だ。天竺から伝わったと言われている。
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