四国遍礼霊場記
 
▼一■【果に頁】山毘盧舎那院仏木寺(四十二番)
 

 
 宇和郡則村にある。空海が通りかかったとき、楠の老木の上に光り輝く物があった。不審に思って見ると、一個の宝珠であった。楠を伐って大日如来像を彫刻し、玉を頭部に納めた。寺を建て像を安置した。一■【果に頁】山仏木を号とした。または、空海が唐で投げた一玉が、この木に引っ掛かっていたともいう。三鈷杵の説話にも触れられているという。
 本尊は高さ四尺の座像。右に鎮守・熊野三所権現社、弁財天・地蔵堂がある。左には仏木大師堂、鐘楼がある。背後の山には椎や松などの木が茂り、前には田園が広がっている。春には鋤を操るうちに川に降る雨を見る。秋は千もの畝が這う田が黄金色に輝き岡の上に雲が立つところを見る。長閑で健全な風景が思い浮かぶ。
  
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