四国遍礼霊場記
▼密教山胎蔵院吉祥寺(六十三番)
新居郡氷見村にある。昔の寺は現在地から東南十五町ほど離れた山中にあった。堂や塔が立ち並び、仏教称揚の地であった。天正十三年、毛利氏が当所の高尾城を攻めた折、兵士が寺に乱入して火を懸けた。本堂だけは残ったが、仏具も書物も焼失した。以後、本尊を現在地に移した。
本尊は、空海が作った毘沙門天座像。
寺から一町ほど離れた場所に、柴井と呼ばれる名泉がある。空海の加持で、清水が湧き出た。村人は大いに利用している。
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