四国遍礼霊場記
 
▼小松尾山大興寺(六十七番)
 

 
 空海が弘仁十三年に開いた。当初は七堂伽藍を備えた大寺であった。現在でも、礎石は残っている。最盛期には、真言宗だけでなく天台宗の研究も盛んで、学僧が犇めいていた。豊田郡小松尾村にあるため、小松尾寺とも呼び、小松尾山と号している。
 本尊は薬師如来で、脇士は不動明王と毘沙門天。立像で高さは四尺。いずれも空海作。十二神は高さ三尺二寸で、堪慶の作だ。本堂の右には、鎮守である熊野権現の社がある。左にある大師堂の大師像は、堪慶の作。醍醐の勝覚が裏書きしている天台大師御影がある。大興寺と書いている額は、従三位藤原朝臣経朝の手による。文永四丁卯七月二十二日丁未と裏書きしている。経朝は世尊寺家。行成第八世の子孫のようだ。このような高位にある者の額が残っていることから、往年の興隆ぶりが偲ばれる。近世まで、宝塔・鐘楼があった。
                
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