四国遍礼霊場記
 
▼蹉■【アシヘンに陀のツクリ】山補陀洛院金剛福寺(三十八番)
 

 
 幡多郡にある。空海が訪れる以前から建っていたという。もとの堂は山頂にあったが、空海が勅命を受けて現在地に移した。勅願所となった。本尊は高さ六尺の千眼観音像で、二十八部衆が周囲を囲んでいる。
 金峯上人が住んでいたとき、絶えず魔魅が修行の邪魔をした。上人が呪伏すると魔魅は悲しんで足摺りした。山号は、これにちなむという。空海が唐で投げた五鈷金剛杵が落ちた場所なので、金剛福寺と呼ぶ。観音の霊場であるので、観音が主宰する補陀洛世界から採り、補陀洛院と号す。
 本堂の左に塔がある。本尊の大日如来像は、清和天皇の追善供養として、清和源氏の祖・多田満仲が作らせたものだと、伝えられている。
 堂の右にある十三重の石塔は、前国主・山内忠義が建てた。愛染堂・薬師堂・役行者・大師堂が軒を接している。鎮守の熊野権現・天神社がある。前には二王門、鐘楼。門の前には除石と呼ばれるものがある。このほか、有名な神社が多く、ここに載せることは困難だ。堂の右に並んでいる。境内は昔、三里四方あったという。
 霊宝が多く残っている。嵯峨天皇・宇多天皇・醍醐天皇・円融院・冷泉院など代々の勅書や高貴な家からの寄進状なども多い。

▼月山(番外)
 

 
 昔は媛の井という場所にあったが、怪人が現れ現在地に移した。次第に大きくなって、様々な霊瑞が起こった。人が願えば、応じないこということがない。媛の井に住む人は精進しなくても参詣できるが、そのほかの人は厳格に精進して参詣しなければ必ず悪いことが起こるという。
 
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