四国遍礼霊場記
 
四国遍礼霊場記巻四

阿州下

観音寺、井戸寺、恩山寺、立江寺附取星寺・星谷、坂本、慈眼寺、鶴林寺、大瀧寺、平等寺、薬王寺

▼光耀山千手院観音寺(十六番)
 

 
 名東郡にある。空海が開いた名刹。丹塗りの壮麗な堂が軒を連ねている。本尊は高さ一丈六尺と立派で、本堂に安置されている。脇士は不動明王と毘沙門天。とはいえ、時は物を朽ちさせる。堂舎は壊れ、一宇として当初の姿を留めているものはない。茅に覆われた窓に夜の月は、あまりに明るく差し込んでいる。石段は、苔に覆われている。太守の蜂須賀光隆は信義ある人で、古き良き時代を引き継ぐことを望んだ。住持・宥雄は、寺の荒廃を訴えた。太守はすぐに請け負い、万治年中に寺を修復した。
 現在の堂から南に半町ばかり行くと、昔の大門の跡がある。東西には、昔の坊舎跡が多く残っている。本尊・両脇士が破損しているので近頃、村の鈴江氏が資材を抛ち修復して飾り、尊い姿を取り戻して威容を新たにした。
                       
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