四国遍礼霊場記
▼瑠璃山明照寺真福院(十七番)
名東郡にある。井戸寺と呼ばれている。所の地名にちなむ。空海の開基とも、聖徳太子の創建とも、行基菩薩の建立とも伝えられている。昔のことなので、はっきりしたことは分からない。昔の本尊は八九尺のものだったらしいが、風雪に侵され、破損してしまった。現在の本尊は、空海の作で、高さ五尺の座像である。両脇士の日光・月光菩薩と、四天王像がある。鎮守の八幡社と楠明神社が並んでいる。
寺の盛んな頃は、三町四方の境内であった。坊舎の跡が十二三残っている。現在門外となっている池には弁財天の祠、隣に塔屋敷、若宮もある。今も境内は一町四方で、大きく伸びた竹が茂る、侘びた趣のある場所となっている。
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